<< これは…。 推定体力70歳 >>

マイクパフォーマンス

とある日曜日。
地方のスーパー。

ここは、ちょいとこじゃれた感を出すために、系列スーパーと一線をかくし、
成城石井の品物を集めているコーナーなんぞを設けている。
時折、「築地から仕入れた、都内デパートでは6万円する鮭児」やらを
お披露目したり、ドリアンをさりげなく果物コーナーにおいてたりするのだ。

そして、ここの店長が、マイクパフォーマンスの人なのだ。
年のころ50代半ばであろうか、
「今日はお足元の悪い中、ようこそおいで下さいました。
 当店では、本日○○を販売いたしております。お値段は確かに少し高いですが、
 味はやはり違います。どうぞ、ごらんになって、今日の 晩御飯の一品に・・・・」
などということを言っている。これがなかなかお客には評判がよくて、ひそかな
名物になっているらしい。

私も毎回このマイクパフォーマンスを何気に聞いて買い物をしているが
店長の人柄が伝わってきて、好感が持てるなぁと思っていた。




話は最初に戻る。

春の日曜日。私はそのスーパーにいた。
魚売り場にいたのだが、恒例のマイクパフォーマンスがはじまった。
最初から注意して聞いているわけではないので、始まりはよくわからなかったが、
どうも、野菜売り場で、天然物の山菜が入荷されたもよう。
「私もこの業界に入って○○年に、なりますが、こんな立派な天然ものの山ウドは、大変珍しいです。」
・・・のようなことを話している。



私は山菜を買うつもりはなかったので、そのまま野菜コーナーに近づくことなく
調味料のコーナーにいた。
言っておくが、ここは都会ではなく、山菜はちょいと山登りに行った人の
お土産になるものの代表格である。だって、周りは山ばかりの土地なのだ。
さもなくば、JAの産直のお店でその時期はどっさりと見ることができるものである。



しかし、この日の山菜は次から次へ紹介される。
「・・・・も、てんぷらにしたら、美味しいですよ・・・」
と、よどみなく話は続いていた。



そして、店長はどうも「つくし」の説明に入ったもようである。
そして、マイクは大きな音で店長の言葉を店内に忠実に流した。

「・・・つくし・・・

こんなものが500円もします・・・」








その後に
「・・・・・・・・・」

流れる沈黙の長かったこと。








果たして、こんなものを買った人はいるのか。



いや、私もツクシが美味しいのは知っている。
しかし、彼が幼少の時、あたりはツクシなぞ取り放題、見向きもしなかったろうし
そこから半世紀経っても、これを小さなパックにほんの一握りで500円になる
ということは考えられないことであったのだろうと容易に想像できる。







今後もこの正直者のマイクパフォーマンスから耳が離せない。
[PR]
by yocchi0220 | 2009-04-02 19:58 | 出かける
<< これは…。 推定体力70歳 >>